―車内設備と喫煙車の関係(受動喫煙防止対策状況)がひと目でわかる―
「私鉄有料特急列車の編成表」 解説

作成・半沢一宣

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この解説ページの最終更新日 2007年3月25日(日曜日)

(2007.2.4.解説ページをリニューアルしました。)


作成の目的
 全国各地の私鉄では、JR各社と同様に、有料の特急・急行列車を走らせているところが少なくありません。しかし、これらの特急・急行列車の車内設備や禁煙・喫煙車両の配置などについての情報が集約されている資料は、これまであまり無かったのではないかと思われます。そこで、これらの設備状況をまとめてみたのが本表です。
 本表の作成にあたっては、私がこれまで作成を続けてきた「特急列車の車いす対応座席・多目的室の設置および禁煙化状況一覧表」の理念を生かし、たばこがきらいな人や車いす生活者の視点でまとめてあります。すなわち、車いす対応座席つき車両と禁煙・喫煙車両の関係や、車いす生活者がトイレ・飲料自動販売機・カード式公衆電話などの共用設備を(そこまで往復する際に受動喫煙を強要されることなく)利用できる位置関係にあるかどうかなども把握できるよう、表現を工夫しました。
 作成にあたっては下記の資料のほか、実地調査の記録も参考としました。その後の変更など本表の誤りにお気づきの節は、上記の作成者自宅までご連絡いただければ幸いです。

調査対象列車と配列
 乗車券(運賃)以外に特急料金などの追加料金が必要となる列車のうち、原則として専用車両(料金不要の一般列車用以外の車両)を使用する列車を取り上げました。ただし、行楽色が強いSL列車は調査対象外としました。
 掲載順序は、原則として、社団法人日本民営鉄道協会の加盟事業者リストの掲載順序に準じました。

資料
『JR時刻表』月刊、交通新聞社
『JTB時刻表』月刊、JTBパブリッシング
『鉄道ジャーナル』月刊、鉄道ジャーナル社
 「新型車両プロフィールガイド」等の記事
私鉄各社の時刻表およびホームページ
 (参考としたものを、各会社名の次に掲げました)


記号の説明

号車番号欄
 *印=増結車(連結しない列車があります)

車内設備欄
 指=指定席
 自=自由席
 グ=グリーン車(私鉄ではグリーン車相当車両)
 展=展望席
 定=定員制
 個=個室(セミコンパートメント等を含む)
 H(大文字)=車いす対応座席
 h(小文字)=車いすスペース
 B(大文字)=ベビーベッド(おむつ交換台)付トイレ(車いす対応)
 b(小文字)=ベビーベッド付トイレ(車いす非対応)
 W(大文字)=ベビーベッド無トイレ(車いす対応)
 w(小文字)=ベビーベッド無トイレ(車いす非対応)
 P(大文字)=テレホンカード式公衆電話(車いす対応)
 p(小文字)=テレホンカード式公衆電話(車いす非対応)
 V(大文字)=飲料自動販売機(車いす対応)
 v(小文字)=飲料自動販売機(車いす非対応)
 K(大文字)=売店(営業休止列車を含む)
 k(小文字)=車内販売準備室(営業休止列車を含む)
 M=多目的室(急病人の休憩、授乳、着替えなどのための個室)
 C=車掌室
 S=喫煙コーナー
 *これらはいずれも、判明した限り実際の位置関係を忠実に表記しました。

禁煙車などの区分
 黒の細字  =受動喫煙が発生していない禁煙車
 
赤の太字  =喫煙車
 
下線付き斜字=喫煙コーナーがある禁煙車
 
斜字    =受動喫煙が発生している禁煙車(下記注を参照)

注:「受動喫煙が発生している禁煙車」について
 2004年秋に、産業医科大学(福岡県北九州市)産業生態科学研究所の大和浩教授の研究班が、営業列車内の粉じん濃度に関する立ち入り調査を行いました。その結果、喫煙車または喫煙コーナーに隣接している禁煙車では、隣接する喫煙車などからドア開閉時に、もしくは空調装置を経由して流入するたばこ煙によって、両側を禁煙車に挟まれた禁煙車両と比べて著しく高い、厚生労働省が定めた職場の環境評価基準をオーバーする高濃度の粉じんが検出されました。このことから、本表で「
太字」「下線付き斜字」「斜字」のいずれかで表現した車両は、いずれも受動喫煙を防止できていない、公衆衛生上問題がある車両であると言えます。