以下の発表の予稿(レジュメ、PDFファイル)はこちら

 

2007年7月22日

交通権学会2007年度定期研究大会での自由論題報告発表
(於・明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー1065号室)


「特急列車の車内設備のバリアフリー化と受動喫煙防止の現状と課題」

半沢一宣


*当日の録音テープを基に「てにをは」など最低限の誤りのみ修正して書き起こしたものです。
以下の見出しは、予稿(レジュメ)に準じる形で後から補足しました。


T.はじめに−報告者の問題意識

 半沢と申します。

 今日の報告は、3月の関東部会でもやったことなんですが、学生時代に、東海道新幹線で車内販売のアルバイトをやっていましたときに、気がついたことが原点になっています。

 当時から、新幹線なんかには、からだの不自由な方、車いすで乗車する方向けの設備が、設置されていたんですが、新幹線に限らず、1本の列車の中にそういう設備は1ヶ所しかありません。その1ヶ所ある車いす対応設備が、当時はたばこが吸える車両、喫煙車である列車がほとんどだったわけで、そうすると、僕自身たばこがきらいだったというせいもありまして、これでは、たばこがきらいな身体の不自由な方は、そういうせっかくの設備を利用したくてもできないじゃないか、そんなのおかしいじゃないか、という1点目の疑問を、当時から思っていました。

 それで、10年くらい前から、そのあたり、車いす対応座席を備えた特急列車が増えてきた中で、禁煙車がどうなっているかと、車いす対応座席が禁煙車になっているか、たばこが吸える車になっているかと、そういう調査を始めてきました。

 その過程で、車いす対応座席以外の、公衆電話ですとか飲み物の自動販売機ですとか、そういう列車の乗客全員のための設備が、車いすの人だけ利用できない位置関係になっていたり、構造になっていたりする、これもおかしいんじゃないかという、2番目の疑問も抱くようになったわけです。

 JRの場合、私鉄もほとんどそうだと思いますけども、身体障害者手帳の交付を受けている人は、その介護者・同伴者1名と共に、運賃が半額、5割引になるという制度があります。ただ、これは運賃、乗車券の部分だけで、特急料金とかグリーン料金、寝台料金といった、運賃とは別の追加料金に関しては、割引制度がありません。

 ということは、電話とか自動販売機とかそういう、付加価値的な設備に対する特急車両の維持管理に係るコストは、健常者と平等に、公平に負担しているのに、身体の不自由な人だけは、そういう設備を利用したくてもできなくなっている、これは差別なんじゃないかっていうふうに、問題意識が広がっていきまして、そのあたりのことを去年、あるきっかけを元に、全国調査をやるようになりまして、去年の11月から、今年の4月ぐらいにかけて、ほぼ全国まわって調べてみました。

 今日は時間の関係で、僕の問題意識の原点である受動喫煙のことについては触れる時間がありませんので、バリアフリー設備についての発表を中心にさせていただいて、特急列車の車内設備の配置や構造はどうあるべきかってことを、皆さんと考えてみたいと思います。


U.全国調査の概要

 調査の対象としましたのは、今言ったような理由で、運賃のほかに、乗車券のほかに特急料金など追加料金が必要となる列車という、カテゴリーでやってみました。


V.各設備のバリアフリー化の現状

1.車いす対応座席

 1点目は車いす対応座席なんですけれども、

【写真1・JR東日本E2系〈はやて〉I号車の車いす対応座席】

これは東北新幹線の普通車の車いす対応座席で、一般の席と同じに座席の回転が窓向きになる関係で、肘掛けを跳ね上げて乗り降り、乗り移りしやすいようにできています。

 もう1つのパターンが、

【写真2・JR東日本E2系〈はやて〉H号車の車いす対応座席】

これはやっぱり東北新幹線の今度はグリーン車の座席ですけども、通路側に回転できて、乗り降りの、乗り移りの便を図るようにできているところもあります。

 これらの席は、基本的に、座席予約は一般席と別枠で、2日前までに申し込みということでされているんですけども、予約が入っていないと、当日の朝から一般売りしてしまうので、車いすの方が、当日急な用事で乗らなきゃならないときには、利用したくてもできないことになってしまう、そういう問題も、おそれもあります。

 そういう、営業上の、切符販売上の工夫の余地は残されているのかな、という気はしております。


2.多目的室

 2点目、多目的室というのがありまして、これは、元々は車いすの方のための個室として作ったものなんですけども、急に体調が悪くなったり、赤ちゃんにおっぱいをあげたいなんてときに使えるための個室です。

【写真3・JR東日本E3系〈こまち〉J号車の多目的室】

これは、秋田新幹線の〈こまち〉で撮影したものなんですが、こちら(矢印@)の腰掛けの座面と背ずりを手前に引き出すと、こっち(矢印A)の腰掛けと組み合わせて、簡易ベッドになる。で、こっち(矢印@)はこのままで、こっち(矢印A)の腰掛けを跳ね上げると、車いすのまま入れるスペースができると、そういう構造になっています。

 普段は鍵をかけていまして、車掌さんにこういう理由で使いたいって申し出ると、鍵を開けて利用させてもらえるという仕組みになっています。

 じゃなんで写真撮影できたのかって言いますと、この〈こまち〉の場合には、通路の向かい側に車内販売の準備室がありまして、車内販売の乗務員が商品置き場にこれを使っちゃっているという、乗客のための施設を業務用に使っているという、けしからん状況があって、それで写真撮影できたというわけであります。

 似たような困った例は他にもいろいろありまして、初めから鍵をかけていないために、自由席代用扱いしているっていうのが、JR九州の〈リレーつばめ〉なんかで常態化してるとか、いろいろ困った問題があるのも事実です。

 使い方次第では、かなり有効なんですけども、鉄道事業者側の周知が足りないといいますか、残念なところがあります。これはJRだけで、私鉄の特急にはこの多目的室という設備は、今のところありません。


3.トイレ、洗面所

 続いて、トイレや洗面所の話なんですが、

【写真4・JR東海285系〈サンライズ出雲・瀬戸〉A号車の洗面所】

車いす対応の洗面所っていうのは、間口が広くて、流しの下に蹴り込み用のスペースが確保されているという、こういうのが望ましい姿なんですけれども、こういう構造になっているのはまだまだ少なくて、一般的には、

【写真5・JR西日本683系〈しらさぎ〉B号車の洗面所と公衆電話】

こちらのように、間口が狭くて中に入れない、入れたとしても中で向きを変えられないという、こういうほうが現在のところ一般的です。

 ちなみにこれは、JR西日本の〈しらさぎ〉という特急列車で撮影しました。

 ちなみに、後で話しますけども、こっちの公衆電話は、車いすでも使えるように低い位置に取り付けられていて、この点は評価できます。

 車いす対応トイレなんかは、

【写真6・JR東海285系〈サンライズ出雲・瀬戸〉A号車の車いす対応トイレ】

これがそうですけれども、わりと間口が広く取ってあって、最近は、赤ちゃんのおむつ交換のためのベビーベッド(矢印@)なんかも取り付けてあります。

 これは、最近は減りましたけれども、親が用を足す間に乳幼児を座らせておく折り畳み式のいす(矢印A)なんかがありますけど、これは最近あまりありませんね、なかなか。


4.公衆電話

【写真7・JR東海〈700系のぞみ〉K号車の車いす対応電話室】

 これが、新幹線の〈700系のぞみ〉の電話室です。

 車いす対応座席がJ号車にありまして、車いす対応の電話室がK号車にあるっていうのは、比較的近いのはいいんですけども、連結部の乗り越えが必要ってことで、安全上どうなのかなっていう気もしないではありません。

 特徴としては、間口が広くて、電話機の位置が低いというのがありまして、これは

【写真8・JR東海〈700系のぞみ〉A号車の車いす非対応電話室】

こっちの、同じ700系のA号車の電話室の構造、幅が狭くて電話機の位置が隠れてますけど(矢印の場所に受話器のコードが見えている)高くて、っていうのと見比べていただければ一目瞭然だと思います。

 最近は携帯電話の普及で、公衆電話を撤去する動きもありまして、新幹線なんかは16両のうち前は8ヶ所あったのが今4つでも残っているのはいいですけど、JR東日本とかJR四国なんかですと、列車の中に1つしかない公衆電話を撤去すると、携帯電話を持っていない人の不便っていうのも、拡大する傾向があります。


5.飲料自動販売機

 次は飲み物の自動販売機ですが、今のところ、車いす対応構造とされているのは、東海道新幹線の〈700系のぞみ〉だけで、

【写真9・JR東海〈700系のぞみ〉J号車の飲料自動販売機】

これがその写真なんですけども、そんなに一般のと構造は変わりません。強いて言えば、この部分に金具がついてて、ここ(矢印)に体重をのしかけて上のほうのボタンに手を届かせることができるのか、っていう感じはします。

 この自販機の件で、自動販売機の業界団体に問い合わせてみたんですけども、この業界団体では、何年か前に「飲料・たばこ自販機バリアフリー設計ガイドライン」というのを作っています。

【図1・「飲料・たばこ自販機バリアフリー設計ガイドライン」(部分)】

これがそうなんですが、これは業界基準で、経済産業省あたりが作ったものではないんですけど、例えば車いすのまま座っていても、屈まずに商品を簡単に取り出せたりとか、まとめてパラパラと1枚ずつでなく5、6枚まとめて硬貨を入れられるという、そういう構造の指標を定めたものなんですけれども、この700系の自動販売機に関しては、そういう基準を満たしていなくて、本当にこれで車いすの人が使いこなせるのかなっていう疑問はあります。

 今月から、N700系っていう新しい車両が東海道新幹線で走り始めましたけれども、そちらのほうを見てきても、まだ実物の車両を見に行ったわけではありませんけれども、こういう構造になっていなくて、一般の車いす対応でない構造のものに後退してしまっているという問題があります。


W.車いす対応座席(車いすスペース)を基点に見た、各公衆設備との位置関係

X.心臓ペースメーカーなど電子医療機器使用者への対策の現状

Y.受動喫煙防止の視点から見た、公衆設備およびバリアフリー設備の配置の問題点

(以上、時間の関係で省略)


Z.バリアフリーと受動喫煙防止の視点から考えた、望まれる列車編成(設備配置)の姿

 あと5分ということなんで途中端折らせていただいて、まとめに入りますけども、では、こういう個々の構造の問題もありますけれども、もう1つ、それぞれの配置の位置関係ですね。

 この〈700系のぞみ〉なんかは比較的、車いす対応座席がJ号車の東京寄り、K号車寄りにあって、比較的、同じ車の中に集中しているのはいいけれども、それでも自動販売機はI号車側、電話はK号車側で、通路幅の関係で自動販売機のほうへは車いすのままでは辿り着けないっていう問題もある。

 700系なんかはまだいいほうで、全国の特急列車を調べてみますと、たとえば車いす対応座席がJ号車にあるんだったら、電話はE号車だ、自動販売機はO号車だと、てんでバラバラで、車いすの人にとっては使い勝手が悪いという問題がある列車のほうが、圧倒的に多いわけです。

 そうしますと、せっかくさっきの〈しらさぎ〉の電話のように、個々の設備が車いす対応であっても、車いす対応座席から場所が離れているために、使いたくても使えない、仏作っても魂入れずになっていることに、なってしまうわけです。

 ですから、そういう意味では、個々の設備を車いす対応構造にすることもですけれども、それぞれの設備、トイレにしても、電話にしても自動販売機にしても、車いす対応座席の最寄りのデッキにまとめて配置して、それでそれぞれの設備も車いす対応の構造にするということが必要なんじゃないかということを、まとめとして提案したいわけです。

 更に言えば、車いすでの乗客が、車掌や車内販売の乗務員に用ができたときのために、車掌室や売店なんかも、車いす対応座席のある車両に配置する必要があるんじゃないかということが、レジュメの最終ページにも載せましたけども、1つの僕の提案として、必ずしもこのとおりでなければいけないというわけではありませんけども、一例として作ってみたのが、

【図2・半沢が提唱するバリアフリー対応車両の一例】

これです。

 ここに携帯電話とかパソコンがどうのこうのって書いてありますけど、これは最近『トランスポート21』を賑わせている、列車内での携帯電話使用の問題とも関係するわけですけれども、心臓ペースメーカーとか電子医療機器を持っている人の居場所が、最近の特急列車の中ではどこにもない、っていう問題もあるわけです。

 つまり、パソコン電源用のコンセントを設置した車両が増えてきた中で、使える環境を整えるための設備は充実してきても、そういうのを避けたい人の居場所がないと、なまじパソコン用の電源コンセントなんか作ってしまうと、「使わないでくれ」とは言えなくなってしまうと。

 ですから、今日は発表できない受動喫煙の話とも関係しますけれども、禁煙席・喫煙席を分けて座席管理する機能を、携帯電話を使っていい席・いけない席という機能に転用すれば、心臓ペースメーカー利用者なんかの居場所も確保できるようになるんじゃないかという点も、指摘しておきたいと思います。

 時間がないのでこれで終わらせていただきますが、何か足りない点など、更に詳しい点など問い合わせがございましたら、レジュメのほうに僕の自宅の住所を書いてありますので、そちらまでご連絡いただければと思います。

 では、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。


討論者・榎田会員からの質疑

 討論者に指名されました、榎田です。

 バリアフリーのことは多少かじってはいるんですけれども、おそらく他に担当者がいないということで私に回ってきたのかなと思っておりますが、今日の発表はどちらかというと、原稿に用意してあるものの中でバリアフリーに、車いす対応のところに絞って報告されたので、実は私、すべて事前に読ませていただいて、受動喫煙の話とかも私の知る限りのことでまとめてきましたので、簡単に6、7点ほどコメントをしたいと思います。

 まず最初に、お聞きの皆さんはレジュメのほうを見ていただいたほうがいいかなと思うんですけれども、最初の問題意識のところは結構なんですが、Tの下のところですかね、「バリアフリー」と「受動喫煙防止」の2つをキーワードに、今回の調査報告をされたということなんですけれども、中を読んでみると、電磁波の問題も書いてあるわけで、正確を期すならば電磁波のこともちょっとここに書いておかないと、レポートとしては読むほうが違和感があるのかなというふうな気がいたしました。

 それと、半沢さんは前から喫煙の問題をいろいろと調査をされて、提言なんかもされていますが、今回はそれを報告されませんでしたけれども、鉄道や喫煙に関しては、日本はだいぶ遅れているというか、最近外国がかなり一気に進んだという面がありますので、ちょっと遅れているというふうな気がいたしております。

 実は、たばこを規制する枠組み条約っていうのがWHOのほうでありまして、昨年か一昨年くらいに発効しているんですかね、それでついこの間バンコクで会議があったんですが、日本は受動喫煙の防止に関して、受動喫煙の防止っていうのがその条約の骨子なんですけれども、それに対しての反対討論をしたっていうんですけれども、結果的にそれが全体としては可決されてしまいましたので、日本の主張は通らなかったんですが、日本の政府はそういうふうな態度をいまだに取っているということです。

 7月の6日に結果が出ているはずなんですが、未だに外務省、厚労省ともホームページには掲載をされておりません。COP2という枠組み条約締約国会議があったんですが、COP1という昨年あった会議のことはちゃんと詳細に報告されているんですが、今回はまだ報告がなされてないようで、どう書くか困っておられるのかなという気がいたしております。

 ちなみに海外ですと、フランスが今TGV全部禁煙ですね、ドイツも7月からローカル線で、9月から高速列車を含めてすべて列車は禁煙になるということで、駅構内も来年ぐらいには全面禁煙にする話を聞いておりますけれども、外国ではかなり進んでいるわけで、日本は少々遅れている面、とくに新聞報道なんかでは「東高西低」というふうなことが言われておりますけれども、そういうふうなことがあるのかなあというふうに思います。

 電磁波のことは、先ほど半沢さん自身も触れられましたけれども『トランスポート21』でここ3号ほど、曽田会員の投稿に始まりまして上岡会員と半沢さんと3人が、携帯電話の利用について幾つかの報告、考察をされておりますけれども、一般的には総務省なんかの見解では影響がないというふうに、ペースメーカーについてはされているわけですが、EUなどの調査とか、私の知り合いで東北大学に本堂毅さんという電子物理学の専門の方がおられるんですが、その方の研究によりますと、電車とくに優先席付近は、要するに金属の箱ですので、反射する電磁波によって磁場が強くなって、かえって影響が高まってしまうんではないかという研究をされております。もしよければ、そういうふうなものを少し研究を取り入れていただいて、もちろん専門の方の非常に難しい研究ですのでなかなか理解し難いんですけれども、そういうふうなものも、少し研究をされて総務省などの見解などについてもきちんと批判をされておりますので、そのへんも取り入れていただいたらいいかなと思います。

 最後に、研究の全体のスタンスに関わることなのかもしれませんが、今日の発表ではあまり触れられませんでしたけれども、レポートの中を読ませていただきますと、半沢さんが目指しているバリアフリーの社会っていうんですかね、どういうふうな空間があったらいいのかとか、そのへんのビジョンをどうお持ちなのかっていうのを、一度お話ししていただければな、っていうふうに思います。個別の色々な提案であるとか、問題点の指摘っていうのは、非常にいろんな膨大な調査の中から出されておりますので、よろしいと思うんですけれども、どういうふうなバリアフリーの社会があって、それを目指すためにどういうふうな研究をされているのかとか、どういうふうな提言をされているのかと、いうふうな位置づけを示していただけるといいかなというふうに思っています。

 昨日、日比野先生が最初にお話しされた資料の中に「バリアフリーのイメージと心得」という図面が、予稿集の最初のほうに入っていると思うんですが、これは若干違うかもしれませんけれども、こんなふうな中でどういうふうに鉄道なんかの、公共交通の中でのバリアフリーを位置づけるのかというふうなことを、ビジョンとして示していただけるとよいのかなと思います。もし、そのへんのイメージが何かあれば、一言言っていただければと思います。以上です。


半沢の回答

 1点だけ言えますのは、最後のビジョンと言いますか提言と言いますか、それに関してですが、実際に99年ごろから国土交通省や当時の運輸省、それからJR6社、民鉄協会なんかには、列車内の完全禁煙化に向けた要望なんかを出しております。ただ、今回バリアフリーにまで広げたことになりますと、確かに調査だけで完結させてしまうと、何も世の中に、社会に還元させることはできませんので、今後どういう形で、一個人の立場からで、大学教授とかそういう地位もない者ですから、どういう形でこの調査結果を鉄道業界を中心に問題提起していって、車いすの人でも、心臓ペースメーカーを使っている人でも、たばこがきらいな人でも誰でも、安心して快適に利用できる特急列車づくりをしていくか、そういうあたりの提言活動を今後どうやっていくかっていうのは、課題として残っていると自分でも思っています。

 そのあたりについては、これからまとめていく中で、再び国交省、JR各社、民鉄協会なんかへの要望活動という形で、取り組んでいかなけりゃならないのかなという考えは、今のところ持っております、というあたりしか申し上げられませんが、いかがでしょうか。


フロア会員からの質疑

 高森と言います。

 私は耳が聞こえません。たばこよりも切実なんですよ。1つの列車の中に、長距離列車もそうですけど、異方向の列車があるんですね。たとえば、長い編成で、先頭のほうはAに行く、後ろのほうはBに行く、そういう列車があるとき、案内が聞こえないんですよ。かといって、ホームを端から端まで走って確認するわけにいかない、っていうわけで、たまたま天国に行くつもりが地獄まで運ばれていったっていうのが、しばしばあるんですね。そういう案内をですね、特急ならそれほどでもないですが、普通列車のほうが利用回数が多いものですから、それをきちんとしてほしいなあと、いうふうに思います。そういうバリアフリーも、お願いしたいなあと。


半沢の回答

 確かに、目が見えない、耳が聞こえない、そっちの方面の障がいがある方っていうことまでは、まだ正直頭が回ったことはありませんで、例えばサボって言うんですか、行先表示が従来のフィルムの巻き取り式からLEDに代わってきたときには、あれだと弱視者って言うんですか、全く目が見えないわけではないけれども極端に視力が悪い方には、LEDよりも幕式のほうが見やすいんだ、なんてな提言を、昔地元の東武鉄道に出したことはありましたけれども、無視されてまして、そのあたりの提言もまた自分なりの考察、調査を深めたうえで、何らかの形で、バリアフリーの中の1つとして取り組んでいかなければならないのかなとは考えております。

以上