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JR西日本・新快速用223系電車のトイレに
喫煙室としての実態がある問題について

最終更新日 2018年12月8日(土曜日)
(2018/12/08 もくじページのレイアウトを変更しました)


解説(2018/12/05 加筆修正)

 JR西日本の223系電車は、関西国際空港アクセス快速列車用として、1993年に初めて製造された車両です。
 その後、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災からの復興に関連して、東海道本線〜山陽本線の新快速列車用として大量に増備されました。
 今日では新快速と快速の主力車両となっており、新快速では料金不要の一般列車としては国内最速の130km/h運転を実施しています。
 223系電車では、1998年に就役したクハ222形(姫路・播州赤穂方先頭車、弱冷房車)2000番代車から、トイレが車いす対応の広いものになりました。
 ところが、このころから、一部の乗客が223系電車のトイレを喫煙室代用として悪用する動きが目立つようになりました。
 このことは、トイレ内の床や手洗い鉢の付近に、ここでたばこを踏み消したときにできたとしか考えられない焼け焦げ跡が容易に見つけられることや、時には同時に2人以上でトイレに入る乗客さえ見られることなどから、疑いの余地はありません。
 このため、後からトイレを利用する乗客が残留たばこ煙による受動喫煙を強要されるだけでなく、本当にトイレを必要としている乗客が必要以上に長い時間待たされる問題などを引き起こしています。
 私は、2008年1月20日(日曜日)早朝、JR西日本大阪駅構内の投書箱「キク象ボックス」に、受動喫煙だけでなく列車火災事故の防止の点からも問題があることを指摘したうえで、223系をはじめとする近畿圏の全車両のトイレに、2007年に東海道・山陽新幹線に就役した
N700系新幹線電車と同様の煙感知器(火災報知器)を取り付け喫煙を防止するよう求める要望書を投函しておきました。
 ところが、これに対して1月25日付けでJR西日本から届いた回答は「今後の参考とさせていただきます」というものでしかありませんでした。

 その後、JR西日本は、223系電車のトイレの床に、焼け焦げ跡を隠すためとしか考えられない、化粧板を重ね貼りする工事を始めました。
 JR西日本が、火災報知器の設置などトイレ内での喫煙を防止するための根本的な対策を取らないで、トイレ内での喫煙が常態化している事実が公にならないよう体面を取り繕うだけでお茶を濁しているようでは、JR西日本は列車火災事故の防止=安全の確保と自らの社会的体面(メンツ)とのどちらが大事だと考えているのか、疑問に思われてなりません。
 乗客を受動喫煙だけでなく、列車火災事故という危害に遭わせるおそれさえある問題が常態化していることを認識していながら、その根本的な解決を先送りし危険を放置し続けるのは、安全が最大の使命であるはずの鉄道事業者が取るべき姿勢として、いかがなものでしょうか。

 なお、同様の焼け焦げ跡は、瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」のトイレでも、容易に見つけることができます。


JRの主な車両でトイレの床の焼け焦げ跡などを調べた写真

2008年1月25日付 JR西日本からの回答書(PDF54KB)

2008年2月22日付 近畿運輸局あて「JR西日本・新快速用223系電車のトイレに喫煙室としての実態がある問題についての要望書」(PDF19KB)

2008年3月14日付 近畿運輸局からの回答書(PDF90KB)

2008年3月18日付 大阪市消防局あて「JR西日本・新快速用223系電車での列車火災事故防止に関する要望書」(PDF21KB)

2008年3月25日付 大阪市消防局からの回答書(PDF71KB)