駅構内で喫煙できることを売り物にしていた東武伊勢崎線
竹ノ塚駅ホーム上の迷惑コーヒーショップと、そのような
店舗運営方を容認していた東武鉄道のモラルハザードを批判する

東武鉄道はホームの混雑緩和や割り込み乗車防止などの秩序保持よりも、テナント収入のほうが大事!

最終更新日 2009年8月18日(火曜日)
2009.8.18.サイトを移転しました)


 2005年3月から2006年6月まで、東武鉄道伊勢崎線竹ノ塚駅ホーム上(浅草寄り)の、自動放送化により不要となった旧放送室設備を転用して、コーヒーショップが開設されていました。

 このコーヒーショップは、終日完全禁煙の駅構内にあって店内で喫煙できることをセールスポイントにしていて、開店当初はその旨の掲示を入り口に出していました。

 竹ノ塚駅は、東京メトロ日比谷線の車庫がある始発駅で、また東武伊勢崎線でトップ3に入るほどの乗降客数を数える、混雑の激しい駅です。上下線共用のホームの幅はもっとも広い場所で約9m、問題のコーヒーショップがあった付近では8m弱しかなく、この部分では実質的なホーム幅は上下線各2.5m程度しかありません。

 このような駅にあって、このコーヒーショップは始発列車への整列乗車にも明らかな悪影響(列が歪められることに起因する割り込み乗車の誘発)を及ぼしていました。このような施設は、業務施設(放送室)として必要だった時代はしかたがなかったとしても、その使命を終えた後はホーム上の混雑緩和と整列乗車の秩序保持のために撤去するのが、本来取るべき施策であると考えられます。

 一歩譲って、乗客のためのサービス施設を設置する必要があったとしても、それはすべての乗客のための施設であるべきです。しかし、たばこがきらいな乗客は利用しにくい、すなわち実体として一部の乗客(喫煙者)だけのためのサービス施設となっていたようでは、非喫煙者(大多数の乗客)にとっては整列乗車の秩序を乱し、ホーム上の混雑を激しくするだけの「迷惑施設」でしかありません。

 そのようなコーヒーショップを経営する企業の姿勢は当然ですが、そのような企業にホーム上スペースの占有を許可していた東武鉄道に対しても、私は疑問を抱かざるを得ません。なぜなら、東武鉄道のこのような経営姿勢は「迷惑喫煙乗り入れ問題」2005年3月15日の踏切死傷惨事などを引き起こした企業体質とも根を一つにする、「駅構内の混雑緩和や(整列乗車に係る)秩序保持などよりもテナント収入のほうが大事」という利益至上主義の反映であるとしか、ほかに考えようがないからです。

 この店舗を経営していた潟Aートコーヒーの本社に苦情を出しても回答がありませんでしたので、以下に苦情の全文を公表し、同社製品のボイコットを呼びかけたいと思います。

 なお、私が苦情の手紙を出した後、このコーヒーショップは店内で喫煙できることをアピールする貼り紙を撤去しましたが、店内が喫煙自由とされていた営業実態は、2006年6月の閉店時まで変わりませんでした。


 また、私はこの問題についてホームページに掲載した文書(この文書の、この1つ手前の段落までの部分)を、上記の踏切惨事の問題に関連する文書と共に2005年6月9日付け東武鉄道本社営業部CSサービス課長あて書留配達証明郵便で送り、同社の見解を求めました。しかし、同年8月30日付けによる同社からの回答書によれば、同社は要旨「必ずしもすべてのお客様(乗客)が利用するわけではない駅構内の賃貸施設については禁煙とすることを義務づけていない」、すなわち店舗内を禁煙とするかどうかはテナントに一任しているとの見解を示しています。

 この回答によって東武鉄道は、この問題に係る責任をテナントに転嫁することで、鉄道施設内の秩序を保つべき施設管理者としての責任の放棄、ひいては上に記した「利益至上主義」を一方的に正当化したことが明らかになったと言えます。それは同時に、この問題に係る東武鉄道の姿勢が、上記の利益至上主義と無責任主義が支配するモラルハザード(倫理観欠如)そのものであるということを、自己暴露したものであるとも言えるでしょう。


2005年3月3日付け 株式会社アートコーヒー本社あて苦情(PDF13KB、アートコーヒー本社からの回答は無し)

2005年6月8日付け 足立保健所あて要請書(PDF14KB

2005年7月9日到着 足立保健所からの回答書(PDF11KB

2005年7月16日付け 足立保健所長あて再要請書(PDF16KB

2005年8月5日到着 足立保健所からの回答書(PDF11KB

参考:「イエローカード」について


(東武鉄道株式会社関連情報の総目次)


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