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東武鉄道東上線ときわ台踏切事故への疑問符

鉄道の定時性=東武鉄道の上層部のメンツを守るためには、
救える命を見殺しにするのもやむを得ないのか?

2007年2月6日に発生した、自殺志願と見られる女性を助けようとした警察官が急行電車にはねられ死亡した惨事が、事故ではなく事件であった疑いがある問題について もくじ

文責 東京都足立区(竹ノ塚駅西口)在住 半沢一宣

最終更新日 2018年12月8日(土曜日)
(2018/12/08 もくじページのレイアウトを変更しました)

 

ときわ台惨事は、なぜ事故ではなく事件なのか
(この項:2016年8月28日・加筆修正)

 この惨事は、踏切道内の支障物を検知し列車を非常停止させる「踏切支障報知装置」(東武鉄道での呼称。名称は「障害物検知装置」など各鉄道事業者ごとに異なります)が作動していれば、回避できた可能性があります。

 しかし、東武鉄道の本社や国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会(事故調)には、「この装置には、踏切道内に歩行者などがいても、その存在を危険として察知せず、非常停止信号を発報しないという欠陥がある」ことを認識していながら、これを放置し続けていた疑いがあります。

 東武鉄道の池田直人(いけだ・なおと)・元鉄道事業本部運輸部運転課長は、竹ノ塚踏切死傷惨事の事故当事者である元踏切保安係の刑事裁判に証人として出廷した際、自動化後の竹ノ塚の踏切の状況について質問されたときに「踏切支障報知装置は赤外線信号が6秒間遮断されることによって非常信号を発報する仕組みになっている」ことを証言しています(2005年10月7日、於・東京地方裁判所第506号法廷。事件番号・平成17年刑(わ)第1481号。証人尋問の詳細はこちら)。

 これは言い換えれば、
「踏切支障報知装置の前を6秒もかからずに通り過ぎてしまう歩行者等に関しては、接近中の列車に危険を知らせることができない」
ということです。

 事実、私は、2006年3月15日(水曜日)17時20分ごろ、当地の「伊勢崎線第38号踏切」(竹ノ塚駅ホーム北側)で、踏切が10分くらい遮断され続けた間に滞留した大勢の歩行者等が、踏切が開いたわずかの時間内に全員が渡り切れず、かなりの人数が踏切道内に取り残されていたのに、上り準急列車が通常どおりの高速で通過していった=踏切支障報知装置が作動していなかったというインシデント(事故にならなかった事故)が発生した現場に居合わせています。これは、移動する歩行者等の群れの隙間から断続的に赤外線信号が届くため、信号が6秒以上続けて遮断されることが生じなかったからであるとしか、他に説明のしようがありません。

 私は、このインシデントが発生した事実と踏切支障報知装置の欠陥、すなわちこのままではいつか重大事故が発生してしまうおそれがある危険について、2006年3月26日(日曜日)に竹の塚警察署と事故調に通報しましたが、どちらも取り合ってくれませんでした。

 その事実を隠して、今回のときわ台惨事を偶発的な事故として処理しようとしている警察や事故調は、東武鉄道共々、自分たちの立場(メンツ)を守るのを優先させるために、再発防止=沿線住民の安全の確保を怠っていることになるのではないでしょうか。

 また、東武鉄道は、足立区役所の都市整備部市街地整備・立体化推進室の担当者から、踏切支障報知装置の作動条件などについて問い合わせを受けたのに対して、

「この装置は自動車のエンストなどを想定した装置として、作動時間を6秒に設定している。歩行者等が踏切道内に取り残されたなどの異常を検知する装置については、現在研究開発中である」(要旨)

と回答していることが、2007年8月29日(水曜日)に開かれた足立区議会交通網・都市基盤整備調査特別委員会の席で報告されています。この回答によっても、東武鉄道が、この装置に上に記したような欠陥があることを認識していた事実があることが、明らかになったと言えるのではないでしょうか。

 今のままでは、たとえば「踏切道内に迷い込んだ幼児を助けに飛び込んだ母親や踏切警備員が列車にはねられ死亡」などという惨事が、いつ再発してしまってもおかしくありません。

 東武鉄道や事故調などによるこれらの不作為の継続は、今この瞬間にも再び、竹ノ塚をはじめとする東武鉄道沿線の住民の命を奪うかもしれない危険の放置として、沿線住民への危害を醸し続けています(鉄道営業法第25条違反)。


書き下ろし解説「東武東上線ときわ台踏切『事故』への疑問符」
(PDF601KB)

(2007年11月に交通権学会が開催した「公共交通の安全を考えるシンポジウム」向け寄稿を加筆修正したもの。「踏切支障報知装置の欠陥の是正を求める陳情」の関連資料として、足立区議会にも提出)


半沢が竹ノ塚の(自動化後の)踏切問題に関連して、過去に「踏切支障報知装置」の欠陥を指摘していた文書(
『東武鉄道の踏切問題』に収録)

2006年3月26日付け 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会あて「重大踏切事故につながりかねないインシデント発生の通報及び東武鉄道株式会社の踏切保安体制に関する調査を求める要請書」(PDF41KB)
(同日、ほぼ同一内容の文書を竹の塚警察署にも持参したところ、応対に出た当直刑事2名は「具体的な人的被害が発生していない現時点では捜査できない、国土交通省など専門機関に通報してほしい」として受け取りを拒絶)

2006年6月2日付け 足立区議会あて「東武伊勢崎線竹ノ塚駅構内の踏切の遮断時間短縮を求める陳情」(2006年3月15日に伊勢崎線第38号踏切で発生したインシデントについても言及。添付資料一覧付き。27KB)

(同・足立区議会のホームページへのリンク)

ときわ台踏切惨事発生後に、半沢が関係各所へ送った問題提起の文書
(主なもののみ掲載)

2007年2月7日付 板橋警察署あて第一報(12KB)

2007年2月13日付 板橋警察署あて第二報(13KB)

2007年2月15日付 足立区議会鉄道高架化促進議員連盟役員あて要請書(23KB)

2007年2月23日付 板橋区役所あて問題提起(32KB)
(板橋区役所からの反応は無し)

2007年3月15日付 東武東上線ときわ台踏切惨事は、事故ではなく事件です!(14KB)
(同日の竹ノ塚踏切死傷惨事3回忌慰霊・献花式で、竹ノ塚駅付近鉄道高架化促進連絡協議会関係者に配布したもの)

2007年6月18日付 足立区議会あて
「踏切支障報知装置の欠陥の是正を求める陳情」
(PDF15KB、添付資料の明細はこちらをご覧ください)
(足立区議会ホームページへのリンク)

2008年6月25日付 陳情の議決について
(上記「踏切支障報知装置の欠陥の是正を求める陳情」の
議決結果についての足立区議会からの通知、38KB)

2007年8月4日付 板橋警察署長あて告発状(117KB)

2007年8月10日付 板橋警察署からの告発状返戻の送り状(6KB)

2007年8月11日付 板橋警察署あて
「告発状の返戻に係る不明点の問い合わせ」(11KB)

2007年8月17日付 板橋警察署からの回答書(6KB)

2007年9月16日付 東京地方検察庁特別捜査部直告班あて告発状(127KB)

2007年12月10日付 東京地方検察庁特別捜査部直告班からの
告発状返戻の送り状(31KB)