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鉄道の治安はどこへ行く?

鉄道施設内の秩序と治安の保持に係る、
鉄道事業者や国(国土交通省)の無責任な実態 総目次

文責・東京都足立区在住 半沢一宣

最終更新日 2018年12月8日(土曜日)
(2018/12/08 もくじページのレイアウトを変更しました)


 近年、国内各地の鉄道の駅構内や列車内で、優先席付近での携帯電話使用や喫煙といった迷惑行為を注意された人が逆ギレし、注意した人が暴力行為を受け時には死に至るという事件が、しばしば発生するようになっています。

 この問題に対しては、鉄道事業者だけでなく、鉄道事業者を指導・監督すべき立場にある国(国土交通省)までが、その再発防止策として、効果がないことが歴史的な事実によって証明されている「利用者へのマナー向上の呼びかけの強化」しか示していません。

 仮に、鉄道事業者や国土交通省が主張するように「迷惑行為や暴力行為の撲滅は、利用者へのマナー向上の呼びかけの強化によって可能」であるとすると、鉄道事業者がこれまで長年にわたり「利用者へのマナー向上の呼びかけの強化」を続けてきているはずにもかかわらず、今なお迷惑行為や暴力行為が後を絶たないでいる現実との矛盾を、一体どう考えればよいのでしょうか?

 また、それが「利用者へのマナー向上の呼びかけの強化」に係る鉄道事業者側の努力が足りないためだとしたら、一体どの程度まで「利用者へのマナー向上の呼びかけ」を強化すれば迷惑行為や暴力行為を撲滅できるのか?という疑問も生じます。

 しかし、これらの疑問に対して誠実に説明してくれた鉄道事業者や国の担当者は、私の知る限り、これまでどこにもありません。

 つまり、国内の鉄道事業者の多くや国は「『利用者へのマナー向上の呼びかけの強化』だけで他に何もしないのでは、迷惑行為やそれに起因する暴力行為を撲滅できない」ことをわかっていて、迷惑行為者(利用者)に責任を転嫁することによって、鉄道という公共施設の秩序と治安を守るべき、施設管理者としての責務を怠る(無策を決め込む)不作為を、一方的に正当化していると考えられるわけです。

 こうして、鉄道事業者に再発防止を事実上拒絶され、同様の理不尽な犯罪被害が何度でも繰り返される=「危害の垂れ流し」に歯止めがかからない結果、暴力事件の被害者や遺族が「自分達と同じ理不尽な思いをする人を二度と出さないでほしい」という当然の被害者感情を踏みにじられ、精神的苦痛という二次被害を生涯にわたり受け続けるという、人権侵害の問題が生み出されているわけです。

 鉄道事業者や、その監督機関である国土交通省には、こうした鉄道施設内の治安改善の問題を棚に上げたまま「地球環境保護(CO削減など)のためマイカーや航空機の利用を自粛し鉄道を利用しましょう」などと国民に呼びかける資格があるのでしょうか?

 「地球環境を守るためには、国民が鉄道利用に努める過程で、犯罪被害に遭ったりその被害を受忍させられたりするのは、やむを得ない」ということなのでしょうか?

 このサイトでは、多くの鉄道事業者や国が、鉄道施設内の治安の保持に対する自らの無責任な姿勢を正当化し続けている反社会的な実態について、私が実際に体験した出来事を元に告発・糾弾します。

*原則として、各カテゴリーごとに新しい順に掲載しています。


カテゴリー別もくじ


東武鉄道関係

『東武鉄道のたばこ問題2003−2004』
東武線内で常態化している、列車の中間乗務員室部分の貫通路構造の欠陥を悪用した迷惑喫煙ひいてはこれに起因する暴力被害が、直通運転開始によって地下鉄半蔵門線〜東急田園都市線の利用者へも拡大されてしまう可能性が高い“迷惑喫煙乗り入れ”問題について、関係各所へ問題提起を行った活動の記録です。
(2003/01/24 掲載開始)

東武鉄道のたばこ問題
鉄道利用時の迷惑タバコによる暴力被害と、その再発防止要求行動の記録
(東武鉄道沿線の公立図書館や国立国会図書館などに所蔵有り。本サイトへの掲載は準備中)


東武以外の大手私鉄関係

名古屋鉄道(名鉄)の治安問題
拝啓 名古屋鉄道株式会社殿

暴力行為に貴社駅係員が見て見ぬふりをしたのは犯罪です!
(犯人隠避および鉄道営業法違反)
(2006/12/31.掲載開始)
名鉄神宮前駅員による脅迫・暴行犯人隠避事件は、本日、この駅員に対する公訴時効(3年)を迎えました。この結果、同駅構内での犯罪(暴力行為)を見逃した駅員や加害者(暴行犯)の責任が不問とされ、被害者(鉄道利用者)が殴られ損の泣き寝入りを強要されるという、理不尽な結末が確定してしまいました。(2009/12/22)

営団地下鉄(当時、現・東京地下鉄株式会社)のたばこ問題
―乗客が要請した迷惑喫煙者の排除の拒否を正当化した不作為責任を批判する―
(上掲『東武鉄道のたばこ問題2003−2004』のうち「番外」へのリンク)
(2002/01 掲載開始)


JR関係

2009年11月12日付 JR東海およびJR西日本あて
「寝台列車『サンライズエクスプレス』の改善に関する要望書」(PDF624KB)

(車内の通路に設置されているインターホン式の非常通報器に「このボタンを押すと電車が止まります」と記載してあることが、列車内で暴力行為などの犯罪が発生したとき乗客に非常通報器の使用をためらわせる原因になることを指摘し、改善を求めたものです。両社からの回答は無し)

2009年8月11日付 JR東海あて
「迷惑行為に関する被害届、及び再発防止に関する要望書」(PDF11KB)

(浜松駅ホーム上で迷惑喫煙者と暴力行為寸前のトラブルになったことを踏まえ、駅ホームへの係員呼び出しボタンと防犯カメラの設置、および喫煙が鉄道営業法違反で刑事罰の対象である旨の周知などを求めたものです。JR東海からの回答は無し。2009/08/18 掲載)

鉄道各社における「非常ボタン」の案内表示に関する調査
解説(HTML) 調査結果の一覧表(PDF51KB)
(鉄道施設内で暴力行為などの犯罪が発生したとき、犯人が電車に乗って逃走するのを防ぐ目的で非常停止ボタンを使用してよいのかどうかを巡る、JR東日本とのトラブルに関連するものです。2007/03/15 掲載開始)


半沢一宣が交通権学会で発表した
鉄道施設内の治安の問題に関する文書類

交通権学会誌『交通権』掲載記事

「交通事業者を原因者とする交通権侵害の構図」(67KB)
第21号(2004年5月20日・発行)に掲載

交通権学会ニューズレター『トランスポート21』掲載記事
(交通権学会ホームページに掲載されている記事掲載号へのリンク)

鉄道の治安はどこへ行く?
―健全経営の鉄道事業者におけるワンマン運転の拡大に思うこと―

第30号(2007年12月・発行)に掲載

鉄道事業者は迷惑行為対策を警察に丸投げするな
―運賃を徴収する以上は利用客への責任も果たせ―

第23号(2006年1月・発行)に掲載


喫煙その他の迷惑行為を原因とする
鉄道利用中の暴力被害についての情報提供のお願い(PDF15KB)

(上掲資料集『東武鉄道のたばこ問題2003−2004』にも収録)